「定年後は民泊リフォーム」、「淡路島でプチ隠居」など。ストーリー提案型のパナセンター大阪が好評

2017年7月27日

パナソニックが、大阪・梅田のパナソニックセンター大阪を、2016年7月にリニューアルしてから、ちょうど1年が経過した。「Re-Life Story(リライフストーリー)」をコンセプトに、13種類の暮らし方を、世代や性別、ライフスタイルに応じて提案。従来のモノ(商品)を中心とした展示から、コト(ソリューション)を中心とした展示への転換に注目が集まっていた。実際、その成果は出ているようだ。

 リニューアルと同時に開始した「コンシェルジュデスク」サービスでは、利用者数が2017年6月末時点で約3,800人に到達。新たな生活を実現するために、不動産やファイナンスなどに関する相談を受ける人が増えているという。この1年の成果を追ってみた。

■「夢の古民家ライフ」、「淡路島でプチ隠居」など、ストーリーをもとに提案

 パナソニックセンター大阪は、2013年4月に、それまでの大阪・OBPから、グランフロント大阪南館に移転オープン。多くの人が訪れる提案型ショールームへと生まれ変わった。さらに、2016年7月には、オープン以来の大規模なリニューアルを実施。従来の商品を中心とした展示から、住空間提案を全面に打ち出した展示へと内容を大きく変化させた。

 具体的には、ストーリーをもとに、「夢の古民家ライフ」、「淡路島や琵琶湖でプチ隠居」、「猫カフェ in わが家」、「大人の秘密基地」といった13の具体的なライフスタイルを提案。この1年間にも、ストーリーをもとにした新たな住空間提案への入れ替えも行なってきた。

 たとえば、「淡路島や琵琶湖でプチ隠居」では、アウトドア好きの夫婦がストーリーの主人公。お気に入りの場所である淡路島に住みたいと考えており、大阪・梅田に住んでいるマンションを売却し、築20年の別荘を600万円で入手するとともに、1,300万円の費用をかけてリフォーム。

 それでも売却費用内で収めることができたという設定をベースに、海を見渡すことができる立地を活かしたパノラマビューと、開放感たっぷりのLDK、リビング中央に配置したアイランドキッチンでゲストをもてなしながら、定年後のプチ隠居の場として新たな暮らしを開始するといった提案を行なっている。こうしたストーリーを実現するために、パナソニックの商品やサービスを展示するという流れだ。

 主役は、あくまでも住空間の提案であり、パナソニックの家電商品は、脇役ともいえる存在。来場者が本来求めているのは、豊かな生活を送るためのソリューションであり、それを実現するために、家電商品を利用するというシーンを具現化したものだといえるだろう。

 これまでにはない展示方法に、リニューアル後のパナソニックセンター大阪を訪れたときにはかなり驚いたが、この1年は、その新たな挑戦への成果がはっきりと出ているようだ。

■コンシェルジュに気軽に声を掛けられる空間。リフォームから資産運用の相談まで対応

 パナソニック ブランドコミュニケーション本部 スペースクリエイツ部 パナソニックセンター大阪 企画課・舛田卓史主務は、「Re-Life Storyのコンセプトは、住空間、情報、人という3つの要素によって実現することができている」と語る。

 住空間では、先に触れた13種類の具体的な提案をもとにして、自分の理想をイメージしてもらい、夢を具現化するための一歩として活用してもらうこと、情報ではセミナーやイベントを通じて様々な情報を提供したり、パナソニックセンター大阪のなかに用意した数多くの書籍などを通じてて、必要な情報を得てもらったりといった工夫を施した。そして、人の観点では、コンシェルジュやナビゲーターを配置し、来場者をサポート。1対1での個別相談も受けられる環境も用意している。

 「住空間展示をみたり、理想のリフォームを考えたりしている来場者が、ナビゲーターやコンシェルジュに気軽に声を掛けられるような環境づくりを心掛けた。さらに、リフォームを相談するだけでなく、リフォームに関わるローンや不動産を含めたファイナンスの問題についても相談を受けられるようにした」(パナソニック ブランドコミュニケーション本部 スペースクリエイツ部 パナソニックセンター大阪 運営課・芥川 元美課長)という。

 パナソニックセンター大阪の随所に、来場者が気軽に声をかけたり、興味を引き出したりする役割を担うナビゲーターを約15人配置。さらに、1階には、コンシェルジュデスクを設け、4つの座席を用意して、インタリアコーディネーターや二級建築士の資格者、銀行出身者、住宅メーカーであるパナホームのOBなどが相談に乗ってくれる環境を用意した。

 リフォームに関して、自治体ごとに異なる優遇制度の活用も紹介できるように、地域ごとの細かい資料を取り揃えているのも特徴だ。ちなみに、資産運用や相続などの個人情報に関わる場合には、個室での相談に変更したり、情報の取り扱いに関しての契約を結んだりといったことも行なっている。

■家族間の意見の食い違いはコンシェルジュが客観的に整理

 現在、コンシェルジュデスクで対応可能なサービスは、リフォーム内容を整理するほか、リフォーム会社を紹介する「リフォーム」、近畿エリアの中古住宅情報や自宅の査定および売却相談などの「不動産」、在宅介護サービスや施設介護サービスの紹介、介護用品の販売およびレンタル、介護リフォームを提案する「シニアライフサポート」、リフォームに関わるローンや資産運用、税務相談、相続や遺言信託などの「ファイナンシャルプラン」、セミナーやイベント、必要な情報や書籍の紹介などをする「くらし情報」の5つだ。

 それぞれの専門分野の知識を持つコンシェルジュが対応。予約による相談対応のほか、飛び込みでも相談に乗ってくれる。

 「長期休暇期間中に帰省し、実家のリフォームや両親の介護などの問題を話し合った子供世帯が相談に訪れるケースもある。リフォーム会社は、パナソニックグループの全国規模でのネットワークを活用して紹介することが可能。また、一度フラっと訪れて、その後、改めてじっくりと相談に訪れている人も増えてきた」(芥川課長)という。

 親世代だけでは資金的な問題や実行力の問題でリフォームが進めにくい場合には、子供世帯が一緒になって、実家のリフォームを検討する例も増えているという。

 たとえば、海外勤務をしている息子が、病気の母が住む実家の寝室横の水まわりのリフォームに関して、コンシェルジュデスクから紹介したリフォーム会社と、直接海外からやりとりし、あとはコンシェジュデスクと連携しながら、リフォーム会社が実家を訪れて、リフォームを進める例があったという。

 さらには、女性だけの三世代5人家族の例では、高齢者でも、女性でも安心して暮らせる住まいへのリフォームを検討し、家のなかの段差をなくしたり、コンセントの位置を配慮したり、さらにはパナソニックが展開する、シニア向けの「Jコンセプト」商品を提案したりといったことも行なっているという。

 「最初は、三世代間でリフォームに対する意見が、なかなかまとまらず困っていたようでしたが、コンシェルジュが客観的に意見を整理。また、女性世帯であるため、頼れる場所としてコンシェルジュデスクを利用できたことがうれしかったとの声をいただいた」という。

■リニューアル後は相談者も約3倍に増加

 さらに、「これからリフォームをするためにどんな準備が必要なのかといったことを理解したり、実家を都心から見守るためのリフォームを検討しており、そこにパナソニックのサービスを活用したいという相談もある。リフォームまでの話には至らなくても、Jコンセプト商品を提案して、購入したいという言葉をもらうこともある。実際、量販店からも『Jコンセプト商品をパナソニックセンター大阪で見て、買いに来た例があった』という声をもらっている」(パナソニックセンター大阪 リライフコンシェルジュリフォーム担当の新屋敷智子氏)という。

 2013年4月に、グランフロント大阪に移転オープンしてからも、リフォームの相談をできるスペースは用意していたが、2016年7月に、コンシェルジュデスクを設置して以降、着座して、じっくりと相談をする人の数は約3倍に増加。2017年6月末までの累計で約3,800人が相談に訪れたという。2017年中には、累計相談者数は5,000人に達する勢いだ。パナソニックセンター大阪から、リフォーム会社を紹介するケースも増加しているという。

 また、パナソニックセンター大阪では、収納や美容に関するセミナー、レッツノートやLUMIXに関するセミナーも随時開催しており、それらのセミナーに参加した際に、常設してある展示内容を見て、リフォームに興味を持つ例もあるという。

 「パナソニックに対する安心感で、リフォームを相談しにくるケースが目立つ。不動産やローンに関する相談にも幅広く乗れることで、ここまで相談できるとは思わなかったという声や、さらには、女性一人で不動産会社や銀行に相談に行くのは怖いが、パナソニックならば、気軽さがあって、相談しやすいという声ももらっている」という。家や生活に関する相談ができる新たな拠点としての評価も高まっているようだ。

■ストーリーに基づいた暮らし方提案は随時リニューアル

 パナソニックセンター大阪では、今後も、「Re-Life Story」をコンセプトとした展示を推進する計画だ。

 「インテリアデザインに関する相談をしたいという声もあり、そのあたりを強化していきたい」とするほか、「家電の便利な使い方などと連動させた提案や、暮らしの知恵や経験を活かした提案も行なっていきたい」(パナソニックセンター大阪の舛田主務)という。また、介護福祉士やインテリアショップの店長経験者などをスタッフに加えることで、より専門性の高い相談にも対応する考えだ。

 一方で、パナソニックセンター大阪で展示されている、「Re-Life Story」に基づいた13種類の暮らし方提案も、随時リニューアルしている。

 2016年7月のリニューアル直後の13種類の展示については、本誌でも紹介している。そして、それ以降、新たに入れ替えた展示もある。新たな展示ストーリーを紹介しよう。

さあ、民泊リフォーム!

 東京オリンピックを前に、民泊の規制緩和が続くなか、子供が独立し、定年延長したものの、定年後の姿が描けない夫に対して、妻が提案したのが民泊リフォーム。

 英文科を出て、輸入商社にいた妻は、ここ2年ほど、英会話スクールに通い、Facebookでもグローバルな友達づくりをはじめていた。定年後の人生は楽しくしてくれるのは妻の提案かもしれない。と考え、有効な間取りと設備、そして、安全、安心のシステムづくりを民泊リフォームで実現してみることを決めた。

田舎で緑あふれる、癒しのバスタイム

 夫婦ともに都心にはこだわらない仕事ということもあり、豊中駅前のマンションを売って、地価の安い田舎で格安の一軒家を見つけてリノベーション。結婚してから32年間、これまではずっと窓のないお風呂で我慢してきたが、その我慢を取り返そうと、ゆったりと時間が流れる、楽園のようなバスタイム空間にこだわった。

 バスルームにつながるバスコート(中庭)は、オープンエアで、ビールを飲む空間を実現。お風呂上りを楽しむことができる場所も作った。肌の手入れができる美容家電も完備。バス、エステ、リラックスタイムを極上のものに変えることができた。

好きなものに囲まれる宝石箱リビング。ハイヒール・モモコさんが描く暮らし

 ハイヒール・モモコさんが描く理想のくらしをパナソニックが形にするマンションリフォーム提案。子育て終了後には、大阪・梅田の高層マンションに自分だけの部屋を持ち、夫婦近居生活をしたいモモコさんが、「オンリーワンでナンバーワンの私だけのお城」をイメージして作った部屋だ。

 ハイブランドのコレクションをリビングルームに展示し、グルメや美容などにこだわるさまざまなアイデアも詰まっている。7月21日から新たにオープンしたばかりの展示であり、ここでは、放送作家の小山薫堂氏、女優の桐島かれん氏、パティシエの小山進氏に続く第4弾となる企画展示となっている。

ふたりの時間が生まれるマンションリノベーション

 女優の石田ゆり子さんと、俳優・演出家のムロツヨシさんが夫婦役を演じるPanasonicリフォームのテレビCMに連動した展示提案。テレビCMで使用されているのと同じダイニングキッチンと趣味の部屋を再現している。

 30代、40代の共働き夫婦をターゲットにしたマンションリノベーションの提案であり、築25年の昔ながらの間取りから、キッチンと和室の壁を取り払ったオープンなLDKを設置。ふたりのときも、友人を招いたときも、料理をしながら会話が弾むオープンなアイランド型キッチンなどが特徴だ。

家電 Watch,大河原 克行

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170727-00000016-impress-ind