え、新築なのに…水回りでわかる「欠陥住宅」の恐ろしい特徴

2021年1月8日
建売住宅の欠陥・不具合を見抜く秘訣とは…!? 今回は「水回り」を見ていきましょう。 ※本記事は、書籍『こんな建売住宅は買うな』から抜粋したものです。その後の法律・条例改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。
 
水回りは家の生命線…暮らしの充足度に直結する
 
ポイント(1) キッチンの排水をチェック
 
水回りは家の生命線です。家の機能そのものといっても、差し支えありません。箱としての家に、暮らすための機能を持たせているのは水回りです。
 
水回りの不具合は、そのまま暮らしに直結します。念入りにチェックしていきましょう。
 
まずキッチンでは水道を開栓して、水を流してみましょう。排水口から水がきちんと排水されるかを確認してください。流しの下を開くと、パイプの接合部を見られるはずです。ここから水漏れなどは起きていないでしょうか。
 
「水道を流しっぱなし」で水回りのチェックをする理由
次に、床下収納庫を取り外して、床の水漏れをチェックしてください。この間も、水道は流しっぱなしにしておいてください。どこかから水が漏れていれば、床に水が溜まるので、すぐにわかるはずです。
 
洗面台も、キッチンと同じように水を流しながら、排水をチェックしましょう。下部の扉を開くと、排水管が見えるはずです。
 
最近の排水トラップは、排水口に異物を落としてしまったときに排水管から取り出しやすくするために、トラップの下部にキャップがあります。しかし、このキャップがゆるんでいたり、不具合があると、ここから水漏れを起こしてしまいます。
 
実際に手で触ってみて、濡れている箇所がないかを確認してください。
 
まさか!?「ユニットバス」を良く見てみると…
 
ポイント(2) 天井の点検口をチェック
 
天井には、ふたを取り外せる点検口がありますので、これを外してください。懐中電灯で照らすと、内部の様子が見られます。小屋裏を点検口から覗き込むと、小屋裏全体に断熱材が敷き詰められているはずです。
 
しかし、その断熱材がない物件を発見することもあります。また、ときとしてユニットバス付近に断熱材の貼り忘れを発見することがあります。
 
ここで問題になるのは、建物の建っているエリアです。不動産広告には明記が義務付けられていますから、確認してみましょう。
 
都市計画法で「準防火地域」となっている場所では、火事が起きた際に延焼を防ぐという観点から、小屋裏(天井裏)の壁の立ち上がり面にも、外壁の裏側には、不燃材(石膏ボード)の設置が義務付けられています。
 
同様にユニットバス周囲の外壁裏側にも不燃材(石膏ボード)の設置が義務付けられています。しかし、これらの不燃材(石膏ボード)が未施工になっている建売住宅を時々発見します。小屋裏点検口やユニットバスの天井点検口から見たときに、木材がむき出しになって見えている場合は、準防火地域では違反建築となってしまいます。
 
もうひとつ、ユニットバスで確認していただきたいのは、内部のキズです。建築中に、工事業者によって物置として使用されていることが多いのが理由です。工具でキズが付くことが多いため、ユニットバスのメーカーから「物置として使わないでください!」と貼り紙がされているほどです。こうしたキズを見つけた場合には、遠慮せずに補修してもらうように交渉しましょう。
 
恐ろしい…給湯器を固定する「釘」の「ズレ」
 
ポイント(3) 給湯器は固定具合をチェック
 
本体だけで30キログラムはある給湯器ですから、確実に取り付けられていないと、地震の際に落下する危険性があります。
 
外壁に取り付けるのが一般的ですが、このときにサイディングボードだけではなく、釘がしっかりと下地の木の部分に留められているか確認してください。
 
サイディングボードの厚みは14~16センチメートルですが、30キログラムもあるものに対しては安定しません。釘がズレていないかを見るには、横に走っているラインに沿っているかを見れば、大丈夫のはずです。
 
「雨どい」は実際に触って動かしてみよう
 
ポイント(4) 雨水による被害を防ぐベランダ、雨どいの見方
 
雨どいは実際に触って軽く動かしてみましょう。取り付けが甘い場合だと、簡単に動いてしまいます。また、斜めに取り付けられていないかどうかも重要なチェックポイントです。
 
少し離れて見て、壁の縦線にまっすぐ沿っているか確認をしてください。
 
また、ベランダの床から立ち上がり部分の高さは、12センチメートル以上なければならないと決められています。これ以下だと、大雨が降ったときに、部屋に雨水が流れ込む事態になりかねません。
 
また、これに関しては、ゴミや土などで雨どいを詰まらせないようにすることが大事ですが、これは家の造りというよりも、暮らし方の問題です。
 
要注意!「古くからある塀」をそのまま使うと…
 
ポイント(5) 塀の鉄筋チェックも忘れずに
 
住宅と同時に新しく造られた塀なら問題はないのですが、古くからある塀をそのまま使う場合は要注意です。古い塀には、鉄筋が入っていないことが少なくありません。鉄筋の有無によって耐久性には大きな差が出てきます。
 
新しく設置しない場合、隣の敷地との境目にある塀をそのまま使用することも少なくありません。手で軽く押しただけで揺れるような場合は、鉄筋が入っていないと考えて間違いないでしょう。
 
スマートフォンのアプリに、金属探知機がありますので、これを利用して壁内部の鉄筋の有無を確かめてみるのもいいでしょう。
 
コンクリート内部の鉄筋の状態を正確に知るには、プロの診断にゆだねることをおすすめします。私が使っているのは、高性能鉄筋探知機です。これを使うと、一般的な金属探知機よりも精度の高い検査が行えます。
 
「新築の家はきれい」は当たり前ではない!?
 
ポイント(6)〝雑〟な造りの家は後悔する可能性大
 
ここで、ちょっと気になるところを見つけたときのことについて、お話ししましょう。今までは、建物内覧の際のチェックポイントや建物の見方について説明をしてきました。しかし、ここで注意していただきたいのはメンタル面です。
 
新築の家だから、きれいなのが当たり前だという思い込みや、大きな買い物をする際の興奮状態によって、冷静な判断ができないことも少なくないと思います。こうした状態で臨むと、平常なら見えるはずのものも見えてきません。少しのことなら「まあ、いいか」と大きな気持ちになることもあります。
 
家の垂直状況、水平状況、断熱材の施工状況などがきちんとしていれば、家としての大きな問題はありません。立地条件や価格なども含めて、購入することに前向きなところに、営業担当者の煽るような売り文句をかけられても早々に契約を急がず、確かめていただきたいのは細かな点です。
 
◦ドアや窓枠のキズ
◦引き戸のキズ
◦フローリングのキズ
◦床下、天井裏、庭などに散乱するゴミ
 
「些細なキズ」に表れる職人の姿勢
これらは、小さなものでしたら引き渡しまでに補修してもらえればよいはずですし、散らかったゴミも片付ければよい、と思われるかもしれません。
 
しかし、これを造った職人の姿勢に疑問を感じてしまうのです。一戸建ては、買う人にとっては一生に一度の買い物である場合がほとんどです。さまざまなことを考え合わせたうえで、家を選ぶのです。建てる側には、雑ではなく、丁寧な仕事をしてほしいと願うのはムリなことではないはずです。
 
見えているのは些細なキズだけだとしても、どのような工事をしたのかが、その小さなキズに表れているように思うのです。
 
数カ所であれば偶然ということもありますが、キズのある箇所があまりに多い場合には一度、考え直してみてもよいかもしれません。
 
特に、不動産市場が大きく動くといわれる2月、3月という年度末の時期は、営業担当者からも「他に引き合いがある」といった急かせる言葉が出がちですが、その言葉に惑わされないようにすることが大切です。
 
その点からいえば、落ち着いて物件を探すためには、繁忙期の2月、3月を避けたほうがよいといえるでしょう。
 
田中 勲
 
https://news.yahoo.co.jp/articles/16b25540f39826848bdb86cddd37b3e1b668c069?page=1