この土地は誰のもの?不動産の名義が亡くなった方のままは危険信号!

2018年6月29日

相続時に不動産の名義変更をしていなかったために複数人の共有になってしまい、その後、名義変更も売却も難しくなるという例が年々増えています。



名無しの権兵衛の不動産はトラブルの元です!

 

相続財産は欲しいものだけ相続はできません。

最近、よくご質問を受けるのが「親が亡くなった際、田舎にある別荘は相続したくないのですが、それだけ放棄するってできますか?」というもの。



残念ながら、この財産は相続するけど、この財産はいらない!ということはできません。



団塊の世代の方は当時の流行だったのか、別荘地や山林などに不動産をお持ちの方が多いように思います。



それを子どもたちは負の遺産とみて、相続したくないと考えているようです。



「いらない不動産は相続登記せずにほっておきます!」こういう方が増えているように思います。固定資産税が課税されない土地だと、なおさらこの傾向が強いです。

相続登記をしていないと後々面倒なトラブルに発展?

相続が発生した後、不動産の名義変更の登記についての期限(義務)はありません。



では、誰が相続するのか決まらないまま登記せず、ほっておかれた不動産はどうなるのでしょうか?



名義人が亡くなってから次に名義を書き換えるまでは、事実上その不動産は相続人全員の共有状態になります。万が一、その相続人の一人が亡くなるとその方の所有権はその方の相続人に引き継がれます。



それがどんどんと続いていくと・・不動産の共有者が十数人まで膨れ上がった事例もあるのです。この不動産を売却しようとすると、その全ての共有名義人の同意と印鑑が必要になってきます。



もし、一人でも同意しない人が出て来ると登記はできず、当然売却もできなくなります。



挙句、長年登記が変更されず所有者が分からなくなっている「所有者不明土地」も増えてきているのです。その「所有者不明土地」は民間有識者の研究会の推計では、全国で約410万ヘクタールにも上るというから驚きです。

 

相続登記を義務化

総務省は2018年6月1日にこの「所有者不明土地」に対して、相続登記を義務化する仕組みを検討すると発表しました。



これが施行されたら、ほったらかしのままというわけにはいかなくなります。



権利関係が複雑化する前に、登記は済ませておきましょう。

土地所有権の放棄ができるようになる?

また、同時に「不動産の所有権を放棄できる制度」の検討にも入ったようです。



前述のように「この別荘はいらない~~」というような安易な理由では、今後も放棄はできないと思いますが、何らかのやむを得ない事情があって放置されているような不動産は要件を満たせば放棄できるようになりそうです。



今後、どのように法改正されていくのか注目です。

不動産の名義は現所有者に!

いずれにしても、安易な理由で相続した土地の名義変更をしないことはおススメできません。



お子さんたちが、不動産の相続をめぐりトラブルに発展しないためにも事前に誰に何を相続させたいのか家族と話し合い、争いの種をお子さんたちに残さないよう、きちんと準備をしておきましょう。



また、ご自身の代で未登記の不動産があるなら今のうちに登記を済ませるようにし、やはりお子さんたちが困らないようにしたいものですね。



Text:一橋 香織(ひとつばし かおり)

相続診断士事務所 笑顔相続サロン代表、全国相続診断士会会長、東京相続診断士会会長

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180628-00010013-ffield-life&p=1