不動産業界127社「平均年収ランキング」

2018年12月21日

プレジデントオンラインは全上場企業の「平均年収ランキング(2018年版)」を作成した。このうち「不動産業」に分類される127社のデータを集計したところ、ヒューリックが平均年収1530万円で1位となった。2位には日本商業開発、3位に三菱地所が続く。ランキングの詳細をお伝えする――。

1位は平均年収1530万円のヒューリック

プレジデントオンラインは、全上場企業の「平均年収ランキング(2018年版)」を作成した。もとにしたデータは2018年6月末時点の有価証券報告書。データ抽出では企業価値検索サービスの「Ullet(ユーレット)」の協力を得た。

このうち「不動産業」に分類される127社のデータを集計したところ、1位はヒューリックで、平均年収は前年比112.2万円増の1530.7万円だった。

ヒューリックは1957年に富士銀行(現みずほ銀行)などによって設立された。現在もみずほフィナンシャルグループと親密関係にあり、有利子負債(売上高の3倍規模)のほぼ3割は、同グループからのものである。ビル開発に加え、ホテルや有料老人ホームなどへの積極的な投資も目立つ。ホテルは所有にとどまらず運営も手がける(ブランド名は「ザ・ゲートホテル」)。業績の拡大にともない、平均給与は1100万円台、1200万円台、1400万円台と順調にアップ。今年度は1500万円を突破した。

2位は日本商業開発。平均年収は388.0万円増の1368.6万円だった。日本商業開発は、「JINUSHIビジネス」と命名した独特の事業を展開。商業施設向けの土地の底地だけに投資し、建設投資はテナントに委ねるというもの。安定的な収益が長期にわたって見込めるビジネスモデルであるとして、機関投資家などの資金の受け皿としてリートも運用。今年度の平均年収は、前年度から388万円も増えた。

3位は三菱グループの中核企業である三菱地所。丸ビル、新丸ビルなど東京駅周辺に多数のオフィスビルを所有している。平均年収は前年比38.5万円増の1229.0万円だった。

“専門性高い少数従業員企業”の給与は高水準に

トップ10のうち、持株会社を除くと、2位の日本商業開発、6位のランドビジネス、8位のいちごの3社が少数の従業員による運営だ。開発土地の仕入れはもとより、不動産資産の向上、売却益の確保など専門性の高さが年収に反映されているのだろう。

太陽光発電などクリーンエネルギーも手がけるいちごは、従業員が毎年10人前後増加するとともに、平均年収も増えている。今年度の従業員数は88人、平均年収は992.8万円だが、2013年度は従業員数51人、平均年収は874万円だった。

財閥系の三菱・三井、社歴ベースの給与はほぼ同じ

主要企業では、売上高が業界トップの三井不動産がダウンである。前年度比で従業員が約130人増えたためだろう。開示している人件費総額は増えている。同社は約1500億円を投じ、米国ニューヨーク・マンハッタンでオフィス開発を進める。

東京・丸の内地区の大家といわれ、米国への進出も他社に先んじている三菱地所の平均年収は、三井不動産を上回る。ただし、平均勤続年数が三井不動産より5年以上長い。同じ社歴で比較してみれば、給与水準はほぼ同等と見てもいいだろう。

旧財閥系では、住友不動産の平均額が600万円台である。三菱地所や三井不動産を大きく下回るが、従業員数が多いことが平均額を押し下げている要因のひとつ。三菱地所の7倍超である。平均勤続年数がおよそ7年と短いことも無関係ではない。

持株会社である東急不動産ホールディングス(HD)は1100万円台、野村不動産HDは1000万円超である。

三菱地所や三井不動産、住友不動産などの場合は、平均年齢や平均勤続年数によって、平均額を上回る人もいれば下回る人も多数存在する。その点、持株会社の場合は、限られた人員による平均額である。東急不動産HDと野村不動産HDの2社の平均額は、大手不動産における個人の年収の目安となる。

鎌田 正文

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181221-00010000-president-bus_all&p=1