今マンションを買うなら中古がオススメ?

2018年10月5日

新築のマンション価格が高くなり過ぎたことから中古マンションが新築以上に売れている。長年にわたり中古市場をウォッチしてきたリクルート住まいカンパニーの池本洋一SUUMO編集長に、中古マンションがなぜ受けているのかその理由を聞いた。

2000万円の格差

 首都圏で分譲されたマンション価格はこの4年間で3~4割も急騰、17年度の平均価格が5921万円にまで上昇、バブル期1990年度の6214万円に次ぐ高い水準になっているという。これが23区内となるとさらに高くなる。



 SUUMO池本編集長は「東京23区内の新築マンションは約7200万円するが、中古だと5200万円で買うことができる。この差額2000万円は大きな格差だ。



 仮に部屋のリフォームに500~1000万円を掛けても、コスパ的に割安だ。以前は他人が住んだ家に住むことへの抵抗感があったが、今の若者世代はリフォームやリノベーションをおしゃれでかっこいいと考えているようで、中古への関心が高まっている」と分析している。



 2008年のリーマンショックまでの10年以上にわたって首都圏で新築マンションが年間約8万戸も販売されていた。このころに売り出された優良な新築物件がいま中古として市場に出ているという。「新築マンションの場合はモデルルームしか見ることができず、実際に自分が購入する部屋を確認することができない。しかし中古は住むことになる部屋を自分の目で確認できる。隣にどんな人が住んでいるのかもチェックすることができるので安心感もある」と中古のメリットを強調する。

2年連続で新築を上回る

 首都圏の新築マンションの供給量は13年から毎年減少していたが、17年度は3万5898戸で、前年度より微増した。しかし、不動産物件情報を提供している不動産流通機構が運営する東日本レインズによると、17年度の中古物件の成約件数は3万7329件で過去最高を記録、新築の成約件数を2年連続で上回った。つまり、新築は高くて手が届かず、代わりに中古を購入している実態が垣間見られる。



 直近の数字を見ると、不動産経済研究所が9月13日に発表した8月の首都圏新築マンション販売の市場動向によると、発売戸数は1502戸と前年同月比25.8%減少し、93年(1354戸)以来の低水準だった。価格も5360万円と同434万円、7.5%も下げ、2カ月連続での下落となった。2カ月連続での下落は異例のことで、都内23区内は堅調だが、23区外での下落が目立ち、これまで好調だった新築マンションの販売にも陰りがみられる。



 一方、東日本レインズによると、8月の中古マンションの成約は2303件で前年同月で1.7%増で、4カ月ぶりに前年同月を上回った。成約価格は3318万円で同2.5%増加し、13年1月から68カ月連続で前年同月を上回っている。地域別にみると、千葉県を除く首都圏で増加、神奈川、多摩では2割増となった。東京23区では12年10月から71カ月連続で成約件数が増えている。新築の売れ行きが悪くなると中古にも影響が出やすいが、この数字を見る限り、新築が低迷しているのと対照的に、いまのところ中古は順調に伸びている。

買い取り再販

 中古市場が拡大している背景に、業者が中古マンション・住宅を売り主から買い取り、リフォームを施して、買いたい人に販売する買い取り再販という仕組みが13年ごろから定着したことが挙げられる。



 それまでは、売主が所有権を持ったまま売りに出していたため、物件には売主が入居したままの状態で売り出されることが多かった。このため買いたい側が買うことを検討しても、この日は売主が立ち会えるから家の中を見せられるけど、別の日だと出掛けるので、見せられないなど、日程調整においても不都合があった。



 それが、買い取り再販ビジネスが広がることにより、買い取り再販事業者が、個人の売主から買い取っているため、日程調整もしやすく、買い手が物件を見に行きやすくなった。



 また、売主が住んでいたりすると、使い古された感じがあり、新築と比較すると見劣り感がした。しかし、買い取り事業者がリフォームを施して新築と比較してあまり違わないほどきれいになっていれば、新築と同じ比較検討の土俵に上がることができるようになるというわけだ。



 また、自分で内装をカスタマイズするDIYも若者世代を中心に活発になっており、自分の好みに合わせて間取りなどを変更する楽しさも中古市場人気の一役を担っている。

中西 享 (経済ジャーナリスト)

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181005-00010000-wedge-bus_all&p=1