家賃収入年1億6000万円超! 中卒サラリーマン大家の成り上がり物語

2019年3月29日

◆たった6年で、年間1億6000万円超を稼ぐ男に!



 現在、188世帯から年間1億6000万円を超える賃料収入を得ているという野中周二氏。「福岡の中卒サラリーマン大家」として野中氏が不動産投資の世界に足を踏み入れたのは6年前のことだった。

「私には両親がおらず、学校に通ったのも中学1年生まで。15歳からパソコンショップで仕事を始め、その後はフィリップモリスジャパンでタバコの営業をしていました。もともと投資の知識はゼロで、不動産投資を志した時期の貯金もわずか30万円程度。さらに住宅ローンやカーローンなどの返済が月20万円近くあったほどでした」



◆大家人生のスタートはスルガ銀行の“不正融資”



 まとまった額の元手すらないにもかかわらず、不動産投資を始めようとしたきっかけは、家族の介護問題だったと振り返る。



「義理の母の介護が必要となり、費用を用立てる必要に迫られました。そのときに初めて気づいたのが、自分があまりにお金に無頓着だったこと。現状を変えなければと考えていたときに、ふと15年ほど前にテレビで見た不動産投資家さんのことが頭に浮かびました。ほかにもタバコの営業でビルのオーナーさんとよくお会いする機会があって、『賃料だけで生活できていいな』と思っていたんですよね。そのときは自分とは違う世界の話と思っていましたが、『サラリーマン大家』という言葉を知って、一気に興味を持つようになりました」



 一念発起した野中氏は約半年をかけて不動産について独学で必死に研究。しかし、最初の投資物件を手にするには乗り越えなければならないハードルがあった。



「自己資金がありませんから、融資を受けることは絶対条件でした。でも、いろいろな銀行で断られてしまって……。そこで頼ったのが、あのスルガ銀行でした。結果的にスルガ銀行からは1億円を超える融資がおり、熊本市内で最初の投資物件を買うことができました。あとから知ったのですが、私の融資の際にも不正な手続きは行われていたようです。当時の私の自己資金は30万円だったのに、行員が1030万円と書き換えたようで……。その後、ローンを別の銀行に借り換える際にはスルガの担当者に『こっちがどれだけ苦労してあんたに融資したと思っているんだ!』と恫喝されましたね。相当危ないことをやってくれたのでしょう。それでも、今、スルガ銀行が批判を受けていることは承知していますが、私個人としては感謝していることも事実です。あのときに貸してくれなかったら、今の私は絶対にないわけですから」

その後、さらなる融資を受け、投資物件を増やしていった野中氏だが、’16年に再び大家としての重大な転機が訪れる。



◆最初の投資物件も被害を受けた熊本地震



「熊本地震があり、私の最初の投資物件も被害を受けました。慌てて現地に駆けつけたところ、中はグチャグチャでしたが、幸い建物は無事。『この物件が人の命を守ってくれたんだな』と強く感じましたね。そのときから私の不動産投資に対する見方はまったく変わりました。それまでは利回り重視だったのですが、入居者さんの暮らしをよくすることを第一に考えて物件をつくりたいと心の底から思うようになったんです」



 震災後、野中氏は物件のデザインや利便性にも独自のこだわりを持つようになる。



「例えば、コードレス掃除機の充電用に収納の中にコンセントを設置していますが、こうした工夫を何十パターンも用意しています。その結果、現在の平均利回りは約7.6%、2年間の入居率100%という圧倒的なパフォーマンスを出すことができました」

◆「街を創る」という新しい不動産投資の形



 不動産投資では購入金額が比較的安い中古ワンルームマンションなど区分所有のほうが一棟モノよりもリスクは低いと考えがちだが、野中氏は間違いだと指摘する。



「入居者が出ていってしまったら一気に賃料がなくなる区分所有よりも、退去リスクが分散されている一棟モノのほうが収支の見通しが立ちやすいはず。そのうえで先述したような付加価値をつけた物件を意識することで、賃料自体は周辺相場を参考とし、共益費を5000~1万円ほど高く設定。入居者の方にはご満足いただき入居率を維持しながら、高収益を保つように心がけています」



 ’16年にフィリップモリスジャパンを退職した野中氏は不動産事業で独立。現在は21億円もの資金調達をしているという。なぜ短期間にこれだけの融資を受けられたか。

◆準備を徹底し融資を得る



「まずは決算書や入居率など、数字で示せる定量情報をきちんと示すことです。私の場合、求められる前にこうした資料は見せています。加えて、将来のロードマップを示し、そこに向けて現状、何をやっているのかも資料や動画などでお伝えし、銀行からの質問に答えるための準備も徹底しています」



 現在も新たな物件取得に向けて動いている野中氏だが、その展望は従来の不動産投資の枠を大きく超えたものになっている。



「新しい価値観で『街』を創っていきたいと考えています。情報に敏感で発信力のある人が集まる場所にするため、九州の大手不動産会社や著名なデザイナーさんとも連携し、最新の設備やデザインを導入した商業一体賃貸住宅の開発にも着手しました。こうした物件を通じて地域の価値そのものを高めていくというプランです」



 異色の大家さんの挑戦は、すでに次のステージへと進んでいる。



【野中周二氏】



Perspective RE代表。’74年生まれ。過酷な幼少期を経たのち、営業マンとして活躍。’13年に初めての物件を購入。その後も規模を拡大し、現在の年間家賃収入は1億6000万円超



取材・文/小林義崇

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190329-00188858-hbolz-soci