資産家ドクター「不動産投資の嬉しい3つのメリット」

2020年6月12日

株式投資、FX、不動産投資など、さまざまな投資を自ら実践してきた医師が語る、不透明な時代を生き抜くためのお金の知識。本連載は、現役の医師で、大見医院院長の大見貴秀氏の書籍『失敗から学び続けた、資産家ドクターの投資術』(クロスメディア・パブリッシング)より一部を抜粋し、医師に最も適している資産形成法を教えます。※「医師×お金」の総特集。 GGO For Doctor はコチラ

 

不動産投資のメリット(1)生命保険の代わりになる

不動産投資には大きなメリットが3つあります。保険的機能、年金としての効果、節税効果です。どんなメリットなのか、それぞれ解説しましょう。
 
まず、不動産投資の保険的機能についてです。金融機関から融資を受ける際、基本的に「団体信用生命保険」に加入することになります。金融機関からすれば、ローンの返済中に本人が高度な障害や病気で仕事を辞めざるをえなくなったり、もしくは亡くなったりすると、返済ができなくなるリスクを負うことになります。
 
団体信用生命保険は、そうした事態に備えて、ローン返済中に本人に万が一のことがあれば、生命保険会社がローンの残金を払ってくれるという保障制度です。したがって、ローンの返済契約者本人が返済途中で亡くなったとしても、保険会社が全部払ってくれるので、残された家族がローンの残債を返済する義務はありません。
 
そのうえ、不動産からの家賃収入は継続して入ってきますから、家族にとってはそれが遺族年金のような形でまるまる生活費として使えることになります。もちろん、すべての物件を売却してお金に換えることも可能です。これは不動産投資の大きなメリットだといえるでしょう。
 
先日、こんな話を聞きました。大規模な不動産を所有していた方が亡くなったとき、こんなに多額の借金を抱えてどうしたらいいのか、と奥さんはかなりパニック状態になったそうです。団体信用生命保険のことを知らなかったためですが、その説明を聞いたときはとても安心したと仰っていました。いまでは残された大規模な不動産から安定した家賃収入があるので、不自由なく生活できているそうです。 いまの団体信用生命保険は、死亡だけではなく、初期のがんや女性特有の病気になったときでも保障されるように適用が広がって、医療保険の要素も加味されています。掛け金も安く、保障も厚いので、一般の生命保険に入るよりも有利かもしれません。なお、団体信用生命保険の保険料は毎月のローン返済額の中に組み込まれていますから、別途保険料を払う必要もありません。
 
不動産投資のメリット(2)年金としての効果
 
次に、不動産投資の年金的効果についてです。
 
購入した不動産のローンを35年かけて全額返済したとしましょう。もしあなたがいま35歳だとすれば、そのとき70歳になっています。ローンを完済していますから、家賃収入はそのまま70歳以降のあなたの不労収入、つまり年金と同じことになるわけです。
 
もちろん、所有している物件は35年の間に古くなっていますが、リフォームもしくはリノベーションすれば借り手はつくでしょう。物件を所有し続けている限り、収入は確保できるのです。さらに、物件は資産として残っていますから、購入時の価格よりも価値は下がっているにしても、それを売却すればかなりゆとりあるお金を手にすることができます。
 
ローンの返済を満期ではなく繰り上げて返済すると、なお有利です。それだけ早く年金として活用できることになるからです。複数の物件を所有しているなら、その効果はより大きいでしょう。
 
たとえば、物件を2戸持っているとすると、そのうちの1つを売却して、そのお金をもう1戸の物件の繰上返済にあてれば、手持ちの貯蓄を減らすことなくローン返済が完了し、完済した物件からの収入は私的年金として役立てることができます。
 
ただし、築年数を経た物件を維持している限り修繕費用などの出費があるので、完済後の家賃収入が全額まるまる年金として使えるわけではありません。そこは注意が必要です。
 
 
不動産投資のメリット(3)節税効果
次に、不動産投資の節税効果についてです。
 
不動産投資で物件を購入すると、賃料収入が発生するので、毎年確定申告をしなければいけません。
 
研修医や勤務医の給与収入の他にアルバイト収入も得ているあなたなら、当然確定申告をしていると思いますが、不動産を購入して家賃収入を得ると、それが不動産所得として加算されて、翌年の申告で所得税と住民税の対象になります。不動産所得の金額は、次のように計算します。
 
「総収入金額-必要経費=不動産所得の金額」
 
総収入金額とは、賃貸の1年間の家賃収入のことです。必要経費とは、固定資産税、不動産取得税、損害保険料、減価償却費(*)、修繕費、仲介手数料、不動産管理費、税理士報酬、図書費、交通費などの経費です。
 
多くの場合、総収入よりも必要経費の金額のほうが大きくなるので、不動産所得は赤字になります。これが節税効果になるのです。不動産所得の赤字が給与所得と合算(損益通算といいます)されると、総所得の額が減るので、税金も少なくなるわけです。
 
 
たとえば、あなたの課税される所得金額が1000万円で不動産所得がゼロだとすると税率は33%なので、330万円が所得税としてとられることになります。これに対して、もしマイナス100万円の不動産所得があったとすれば、損益通算されて「1000万円-100万円=900万円」が課税される所得金額になります。900万円の税率は23%ですから、所得税は207万円。すなわち、不動産所得がゼロのときよりも120万円余り税金が安くなります。確定申告すれば、給与から天引きされて多くとられていた所得税のぶんがのちに還付金として戻ってきます。
 
このように、不動産投資をすると節税効果のメリットがあるのです。ただし、多くの人が誤解をしているのですが、節税効果は長く続くものではありません。還付金が毎年必ずあるわけでもありません。
 
なぜなら、必要経費の部分が年を経るごとに減っていくからです。物件を購入した1~2年目はさまざまな諸経費がかかるので節税効果はたしかに大きいのですが、3年目以降も同じというわけではないので、注意が必要です。あくまで、節税効果はメインとして考えないほうがいいでしょう。
 
*減価償却費=不動産の購入価格をそのまま経費として計上することはできない。その代わり、経年による価値の目減り分を 減価償却という一定の方法で減価償却費として計上する。計算は次のとおり。「建物価格×償却率=減価償却費」。償却率は 国税庁の「減価償却資産の償却率表」を参照。
 
不動産投資のデメリットを知り、 対策を考えておく
保険、年金、節税と不動産投資にはいくつかメリットがあるのですが、反対にデメリットもあることを忘れてはいけません。不動産投資のデメリットとしては、次のようなことが考えられます。
 
(1)空室リスク
 
(2)天災リスク
 
(3)管理修繕費変動リスク
 
(4)金利上昇リスク
 
(5)倒産リスク
 
それでは、一つひとつ説明していきます。
 
(1)空室リスク
 
空室リスクについては、いうまでもないでしょう。購入した物件に入居者を確保できなければ、家賃収入がありません。最初の入居者が確保できたとしても、その人が出ていったあと、次の入居者が見つからずに空室になってしまう場合があります。家賃収入はそういうリスクがあるので、不動産投資に不安を抱いている人が多いのです。私も札幌の物件は中心部からは外れていたため、一度出てしまうと数カ月単位で入居者が入らないということを経験しました。思った以上に入居者の退去は精神的なストレスなのです。けれども、心配はいりません。
 
入居者がいなくても、不動産会社が家賃を支払ってくれる「家賃保証」というシステムがあるからです。不動産会社が、毎月の家賃から手数料を引いた金額をオーナーに払ってくれます。手数料は不動産会社によって異なりますが、だいたい8~10%です。
 
たとえば、毎月10万円の家賃であればその8%の8000円が手数料として引かれて、残りの9万2000円が家賃として保証されるわけです。したがって、家賃保証があればたとえ空室になったとしても、家賃収入がゼロということはありません。ただし、すべての不動産会社が家賃保証というシステムを取っているわけではないので、不動産会社を選ぶ際には注意しましょう。
 
(2)天災リスク
 
次に、不動産には天災のリスクが伴います。地震や津波や火事といった災害は、突然にやってきます。地震がきても絶対に倒れない、津波がきても絶対に流されない、火事になっても絶対に燃えない、などという保証はだれにもできません。したがって、天災のリスクを少しでも防ぐためには、みずから地震保険や火災保険で備えるしかないのです。
 
ただし、物件選びの際、耐震性の高い物件を選ぶ、燃えにくい構造の物件を選ぶなどの配慮は必要です。
 
 
(3)管理修繕費変動リスク
 
建物は長い間にだんだん老朽化していきます。古く傷んだ建物には入居者が入りません。ですから、オーナーとしては常に修繕とメンテナンスを心がけなければいけません。そのための費用をふだんから用意しておく必要があります。
 
また、建物の管理費も5~10年ごとに上がる場合があります。それを知らずにいると、あとでこんなはずではなかったと後悔することになるので、事前にきちんと調べておきましょう。
 
(4)金利上昇リスク
 
不動産投資をするとき、金融機関から資金の融資を受けることになります。融資には金利が伴います。いまは低金利ですから融資が受けやすくなっていますが、金利は今後ゆるやかに上がっていくと予想されています。変動金利の返済を選択した場合、金利が上がると返済の支払いが増えていくので、そのリスクがあるといえます。
 
変動金利とは、金融機関の融資の金利タイプの一つで、返済の途中で市場の金利の変動に連動して金利が見直されるものを指します。不動産投資は、この変動金利で融資を受ける形になります。これに対して、返済の全期間が一定の金利で変わらないタイプを固定金利といいます。変動金利の金利上昇リスクを避けるには、ローンの返済期間を短くするなど対策が必要です。ただし、金利が上がるときは不動産の価値も上がることが多いので、不動産を売却するタイミングともいえます。その際は、選択肢の一つとして考えてもいいでしょう。
 
(5)倒産リスク
 
不動産投資には、不動産を販売した会社や管理している会社が倒産してしまったらどうするか、というリスクがあります。不動産業界は動きが激しいので、そういうケースが少なくないのです。ただし、心配はいりません。不動産会社が倒産しても、所有している不動産の権利はオーナーが持っているので、不動産を取り上げられることはありません。しかし、新たに管理会社を探す必要があります。管理会社によっては、手数料が変わる可能性があるので要注意です。
 
大見貴秀
 
大見医院院長
 
植田幸
 
資産コンサルタント 宅地建物取引士 AFP(日本FP協会認定)
 
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大見 貴秀,植田 幸